AI コーディング支援ツールとして名前が挙がりやすい Cursor と GitHub Copilot。両者とも個人向け有料プランから組織向けプランまで揃っていますが、料金体系は同じではありません。Copilot は月 $10 から、Cursor は月 $20 から、というベースの差に加え、チーム向けプランの単価や、含まれる「補完回数・エージェント回数」の上限の設計が異なります。
本記事では、両ツールの料金プランを日本円換算とあわせて整理しつつ、エディタ統合方式・既存コード理解・チーム導入・補完体験・GitHub 連携という観点で違いを比較します。用途別の使い分けについては既存記事 CursorとGitHub Copilot、コーディングで使うならどっち? で扱っているため、本記事は「料金面での判断材料」に絞っています。
この記事で分かること
- Cursor と GitHub Copilot の無料プラン・個人有料プラン・チーム向けプランの料金構成
- $1 = 150 円を仮置きしたときの月額の日本円目安
- 「ベース価格の差」が実利用でどれくらい体感に影響するか
- エディタ統合方式・既存コード理解・GitHub 連携といった料金以外の観点
- 個人利用と業務利用、それぞれで見るべき判断軸
比較対象の概要
両ツールの位置づけを先に整理しておきます。料金表だけを見比べる前に「何が含まれているプランなのか」を把握しておくと、後段の比較が読みやすくなります。
- Cursor(Anysphere):VSCode をフォークした独立アプリ。エディタ自体に AI が組み込まれており、Cmd+K(インライン生成)、@ によるコンテキスト参照、Agent モード、Bugbot などをひとつのアプリで完結させる設計。
- GitHub Copilot(GitHub):VSCode・JetBrains・Visual Studio・Neovim など各種エディタに拡張として組み込むプラグイン型。ゴーストテキストによるインライン補完、Copilot Chat、Pull Request での説明生成、CLI 連携など、GitHub エコシステムに統合された運用が特徴。
この比較で特に見るべきポイント
両ツールはベース価格が異なるため、ぱっと見では Copilot Pro $10 が安く見えます。ただし「月にどれだけ使うか」「補完中心か対話・自動編集中心か」「チームで一括契約するか」によって、実質コストと体験の差は変わります。本記事では以下 5 つの観点を重視しています。
- エディタ統合方式:独立アプリ(Cursor)と、既存エディタへのプラグイン(Copilot)。乗り換えコスト・複数 PC での導入容易性が変わります。
- 既存コード理解:プロジェクト全体や複数ファイルを参照しての生成・修正。Cursor は Cmd+K と @ コンテキスト参照を全面に押し出した設計です。
- チーム導入と Business プラン:シート単価、SSO/SCIM、管理者機能、利用ログ、データ学習除外の扱い。
- 補完体験(ゴーストテキスト vs 対話型):書きながら次の行を提示する補完体験と、選択範囲に指示を出して書き換える対話的な体験の比重。
- GitHub 連携・PR 生成・Issue 連動:GitHub のリポジトリ・Issue・PR を中心としたフローへの統合度合い。
補完精度・エージェント精度はモデル更新やプラン変更で変化しやすい領域です。本記事では断定的な優劣ではなく「観点として確認しておきたい項目」として整理します。
料金比較表(取得時点の公式情報ベース)
両サービスの代表的なプラン料金を当サイトの料金データベースから抽出した表です。価格は USD 表記が一次情報で、日本円換算は $1 = 150 円を仮置きした参考値となります。為替変動・地域別価格・支払い時のカード手数料の影響を受けるため、実額は公式ページで照合してください。
| サービス | プラン | 月額(USD) | 日本円換算(参考) | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|
| Cursor | Hobby(無料) | $0 | 0 円 | 機能制限あり・お試し |
| Cursor | Pro | $20 / 月 | 約 3,000 円 | 個人利用の標準 |
| Cursor | Teams(1 シート) | $40 / 月 | 約 6,000 円 | 2 名以上のチーム |
| GitHub Copilot | 無料 | $0 | 0 円 | 機能制限あり・お試し |
| GitHub Copilot | プロ | $10 / 月 | 約 1,500 円 | 個人利用の標準 |
| GitHub Copilot | プロ+ | $39 / 月 | 約 5,850 円 | 個人 + 上位モデル利用 |
額面では Copilot プロ $10 がもっとも安く、Cursor Pro $20 はその 2 倍、Copilot プロ+ $39 と Cursor Teams(1 シート)$40 が同水準です。ただし「同じ価格帯のプランで何ができるか」は異なるため、額面以上に中身の差を見ておく必要があります。
無料プランの違い
両者とも無料プランを用意しており、お試し導入の入口になります。ただし「無料でできることの範囲」と「無料で詰まるタイミング」は設計が異なります。
- Cursor Hobby:エディタ自体は無償で導入可能で、Agent 機能や Tab 補完の利用回数に上限が設けられている構成です(プラン更新によって上限値は変動するため、最新の上限は公式ページの確認が必要)。
- GitHub Copilot 無料:誰でも GitHub アカウントで開始できる一般無料プランで、執筆時点では月 50 件のチャット/Agent 利用と月 2,000 件のコード補完が用意されています(学生・教員・OSS メンテナ向けの「Copilot Free for Verified Students/Maintainers」など別枠の無償提供とは別の枠組み)。上限に達すると有料プランへの誘導が出ます。
無料プランで完結するか有料に進むかの判断は、「1 日にどれくらい AI 補完と対話を使うか」を 1 週間ほど書き出してみると見えやすくなります。Tab 補完を多用するなら Copilot 側、エディタごと AI 中心に切り替えたいなら Cursor 側で試す入り口が自然です。
個人有料プランの違い(Cursor Pro / Copilot プロ)
個人利用のメインは Cursor Pro($20/月)と GitHub Copilot プロ($10/月)です。ベース価格は 2 倍違いますが、含まれる体験も異なります。
- Cursor Pro:エージェント機能・Tab 補完・複数モデル切替(フロンティアモデル含む)・MCP 連携などをアプリ内で完結。ファイル参照(@)やインライン編集(Cmd+K)が中核体験。
- GitHub Copilot プロ:ゴーストテキスト補完が無制限・チャット利用が用意され、月あたりの「プレミアムリクエスト」に上限が設けられた構成(上位モデルを使う回数の枠)。プラグインとして既存エディタにそのまま組み込めます。
- Copilot プロ+($39/月):プレミアムリクエストの上限が大きく拡張され、より上位のモデルや関連サービスへのアクセスが含まれる構成。上位モデルを多用するなら検討対象になります。
Copilot プロを 4 か月続けると累計 $40、Cursor Pro なら 2 か月で $40 です。額面の差は明確ですが、「複数ファイルを横断する書き換え」「Agent による自動編集」を多用する想定なら、Cursor Pro 側の体験差が価格差を埋める判断になり得ます。
チーム向けプランの料金構造(Cursor Teams / Copilot Business)
複数名で導入する場合は、個人プランの単純合算ではなくチーム向けプランを比較します。請求の一元化・管理機能・SSO の取り扱いが料金とは別軸で重要になります。
- Cursor Teams:1 シート $40/月。共有コンテキスト、組織ルール、SSO/プライバシーモード強制、利用分析、請求一元化などが含まれます。
- GitHub Copilot Business:1 シート $19/月前後(公式案内・最新条件は公式料金ページで確認)。組織管理コンソール、Audit Log、データ学習除外(オプション)、SAML SSO などが含まれます。Enterprise は別建ての上位プランです。
法人利用での意思決定では、シート単価そのものよりも、SSO・SCIM・データ学習除外・データ保管リージョン・解約条件のほうが先に絞り込み軸になりやすい項目です。価格比較は「要件を満たすプラン同士」で行うのが整理しやすい順序です。
日本円換算での費用感
$1 = 150 円を仮置きすると、個人プランは月 約 1,500 円〜約 3,000 円 前後、上位個人プランは月 約 5,850 円〜約 6,000 円 前後、チームは 1 シートあたり 約 2,850 円〜約 6,000 円 規模が目安です。年単位ではこの 12 倍が固定費となるため、年契約割引の有無・最低契約期間とあわせて見ると判断しやすくなります。
支払い時の実費は為替・カードブランドの為替手数料・税の扱いで上下します。実額を正確に把握するには、契約後 1 か月のクレジット明細を確認するのが最短です。
既存コードベースの規模で見る向き不向き
「価格をどう評価するか」は、扱うコードベースの性質に左右されます。判断軸として以下のような分岐が考えられます。
- 既存大規模リポジトリの読解・横断的なリファクタリングが中心 → Cursor の @ コンテキスト参照と Agent モードが体験面で評価されやすく、Pro 以上の費用対効果が出やすい構成
- 新規コードを連続して書く・テストコードを大量に書く・既存コードに沿って書き足す用途 → ゴーストテキスト中心の Copilot プロが安価かつ自然
- 複数ファイルにまたがる修正提案を AI に投げて、編集差分をレビューしながら採用したい → Cursor の Agent / Cmd+K が中核体験となるため Cursor 側で試す
- 業務利用で「Pull Request の説明文生成」「Issue から PR ドラフト」など GitHub 上のフローを軸にしたい → Copilot 側に統合された体験が前提に近い
GitHub フローを軸にした選び方
Copilot は GitHub 純正であるため、GitHub の Issue・PR・Actions を中心としたワークフローには既に組み込まれた前提で機能が提供されます。一方 Cursor は GitHub と連携可能ですが、第三者ツールとしての位置づけです。
- 業務利用で「リポジトリ管理・Issue 管理・コードレビュー」を GitHub で一元化している → Copilot の方が運用面の摩擦が少ない
- GitHub 以外(GitLab・Bitbucket・自社 Git)が混在する組織 → Cursor のエディタ統合体験は前提に左右されず、シート単価で比較しやすい
- 個人開発で OSS にコミットするフローが中心 → Copilot は OSS 関連の優遇プログラム(公式条件の確認が必要)があり、料金面の選択肢が広がる
契約前のチェックポイント
料金以外も含めて、契約前に公式情報で確認しておきたい項目を整理します。既存記事の 用途別の使い分け とあわせて見ると判断軸が補強できます。
- 1 か月で使う補完件数・Agent 件数・チャット件数が、各プランの利用上限に収まるか
- 上位モデル(フロンティアモデル)の利用回数が必要十分か(Copilot プロ+ / Cursor Pro の上限)
- 普段使うエディタ(VSCode・JetBrains 系・Vim/Neovim・Visual Studio)への対応状況
- プライベートリポジトリ・社内コードの学習除外設定の有無
- 商用利用条件と、生成コードの利用範囲・帰属(公式の Acceptable Use を要確認)
- チーム契約時のシート数下限、年契約条件、解約条件
- 請求通貨(USD 請求の場合のカード手数料)と、課税の扱い
公式料金ページへのリンク
両サービスとも料金プランは更新頻度が高めです。最新の料金・利用上限・モデル一覧は必ず公式情報で確認してください。
- Cursor 公式料金ページ(cursor.com)
- GitHub Copilot 公式料金ページ(github.com)
- GitHub Copilot 対応エディタ一覧(docs.github.com)
関連ページ
- Cursor の料金プラン詳細
- GitHub Copilot の料金プラン詳細
- Cursor と GitHub Copilot、用途別の違いを整理
- ChatGPT と Claude の料金比較(チャットボット系の関連記事)
- AI コードエディタ・アシスタント カテゴリ一覧
よくある質問
Cursor から GitHub Copilot に乗り換える場合、どんな点で違和感がありますか
Cursor で中心になりやすい Cmd+K でのインライン書き換えや、@ で複数ファイルを参照しての生成は、Copilot 側ではエディタ標準の UI(Inline Chat・Workspace Chat)に置き換わる体験になります。プラグイン側の UI は各エディタの作法に従うため、Cursor の「アプリごと AI 用に最適化された」体験から見ると、操作の集約感は弱まる印象を受けやすい部分です。逆に「普段使いのエディタはそのまま使いたい」場合は、Copilot のプラグイン提供は摩擦が少なくなります。
VSCode 拡張だけでも Cursor 相当の体験は得られますか
VSCode に Copilot 拡張と Copilot Chat を入れれば、補完・対話・コードレビュー・差分提案までは利用可能です。ただし「複数ファイルを参照したインライン書き換え」「Agent による自動編集」を中核体験とするなら、Cursor 側の UI と細かい体験設計に分があるという声が多い領域です。Copilot 拡張も Workspace Chat や Edit モードを拡充していますので、まずは無料プランでの試用が比較材料になります。
チーム導入時の管理機能はどう違いますか
Cursor Teams は SSO(SAML/OIDC)、プライバシーモードの強制、利用分析、請求一元化、共有ルールなどに対応しています。GitHub Copilot Business は組織管理コンソール、SAML SSO、Audit Log、データ学習除外などが含まれ、より上位の Enterprise では Knowledge Base 統合や追加管理機能が用意されます。SSO・SCIM・Audit Log・データ学習除外の有無は要件票で 1 項目ずつ照合する形が漏れを減らせます。
プライベートリポジトリのコードはどう扱われますか
両者とも、有料プランではプライベートコードの学習除外オプションが提供されます。デフォルト設定とオプトイン/オプトアウトの扱いはプランによって異なるため、利用前に各社の Privacy / Trust ページで最新条件を確認するのが安全です。チーム契約の場合は、組織管理者がメンバー全員に対して学習除外を一括で適用できる仕組みになっているかも確認ポイントです。
JetBrains 系 IDE での対応状況は
GitHub Copilot は JetBrains IDE(IntelliJ IDEA・PyCharm・GoLand など)に公式プラグインを提供しており、VSCode と並ぶ主要対象エディタとして案内されています。Cursor は VSCode フォークの独立アプリで、JetBrains 用の同等アプリは公式提供されていない構成です。普段の開発で JetBrains が前提なら、Copilot を Pro / Business で使うほうがエディタ移行コストがかかりません。
本記事の料金は当サイトのデータ取得時点の公式情報をもとに整理しています。最新の料金プラン・利用上限・対応モデル・地域別価格は、必ず各サービスの公式料金ページで最新情報を参照してください。